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| ■ 堀江貴文と雨宮敬次郎 | ||||||||||||||||||||||
フジテレビに対するM&Aをみて、雨宮敬次郎を思い出した。 いわゆる「甲州財閥」の一人である雨宮敬次郎については リンク先を参照していただきたい。 明治初期、山梨から横浜に来て相場ですっからかん状態の雨宮敬次郎と、 当時、横浜の成功者の一人であった田中平八(糸平)の出会いを思い出した。 売上げ約4500億円のフジテレビ、売上げ約300億円のライブドア。 経済界では同等に付き合えない立場にある。 話のポイントは、自分より10倍以上も大きい人にどう挑むかである。 明治6年、政府から「平民に乗馬を許す」というふれが出された。 しかし、士族の反感が恐ろしく馬に乗るものは一人もいなかった。 「糸平さんが馬に乗っているそうだ」という噂が流れた。 雨宮は過ぎて行く糸平の後姿をみてひらめいた。 雨宮はこの糸平と仲良しになろうと思ったのである。 しかし、無一文の雨宮が、今でいう”セレブ”の糸平に面会できる可能性はゼロである。 貧困の中、家族・実家を拝み倒して山梨から馬一頭を横浜に持ってきた。 雨宮は、くる日もくる日も糸平邸宅の近く出かけ、糸平の散歩コースなど日々の行動を調べた。 雨宮は6日目に行動を起こした。 糸平はいつものように散歩に出かけた。とある横丁にさしかかると急にひづめの音がして、あっと思う間もなく一人の騎馬の男が、糸平の身体すれすれに追い抜いたかと思うと、土煙の消えていく間からこちらをふり向いて、ニコッと笑ったものである。 明らかに挑戦である。 当然、臨時の競馬が始まった。が、野毛山のあたりまでくると、二人は汗をかいていた。 いつか二人は馬首を並べていた。 「君はなんとういう名だ?」糸平がまず口をきった。 「名無しの権兵衛」 「ふざけるな」 「ふざけているのはあんただ。まず自分から名乗ったらどうだ」 わかっているくせに、雨宮はとぼけてきいた。 「なるほど、わしの名は田中平八だ」 「ほ、天下の糸平さんか」 「そうだ。で、君は?」 「天下の雨敬だ」 「天下の雨敬? 聞いたこともない」 「自分でそういっているだけだ」 「それは聞かぬはずだ」 「間もなくそういうことになる」 「そうかな」 「今年平民に乗馬が許された。だが乗るヤツがいない。いくじがないヤツらだ。それでオレは乗った。だれぞほかにはおるまいと思っていたが、きょうあんたの馬上の姿を見て、気持ちのいいヤツがいるなと感心した。さすが天下の糸平さんだけのことはある。いま横浜中の平民の中で、馬で乗り歩いているのは、われわれ二人よりほかにない。あんたが天下の糸平なら、わたしが天下の雨敬と言ってもさしつかえあるまい。」 「たいへんな理屈だな。だが、面白い。まだ若いのにいい意気込みだ」 「28になる。親のつけた名は雨宮敬次郎」 「何をやっている」 「生糸の種紙の相場をやって儲けたが、今はすって貧乏している」 「そうか、浮き沈みは世の常だ。わしは39になる。仲良く願おうか」 「望むところ、なにぶんよろしく」 「急におとなしくなったな」 「先輩として、一応敬意を表しておく」 「こいつめ」 二人は顔を見合して大笑いした。 生涯の深いちぎりが、この時できたのである。 趣味は身分階級のわくを超えて人間を親しくさせる。 初めから下手に出て茶坊主になっては、対等のつき合いはできない。 きっかけをつかむには偶然(?)を利用すべきだ。 雨宮の考えは的中したのである。 ”事をなす条件は与えられるものではなく、 自ら構築していくべきものである” リスクがあるにしても、熟慮のうえ、出るときは出る必要性を雨宮は述べているのでしょう。 雨敬の言葉である。 「私は他人よりもものを怖がる方だ。他人から見れば冒険的のようだが、それは一旦決心がついた後のことを見るからで、決心するまでには非常に心配し、非常に危険を感ずる。しかし、こうしてやり始めれば途中ではやめない。先が分からずにやり出す者は途中でみな止めてしまう。十分研究に研究を重ねたことは中途でやめる必要がない。だから順序を踏むことだ。 金を早く儲けるには乞食がいい。乞食をすれば金ももらえるし、まんじゅうももらえる。だが乞食して身代を作ったものはいない。相場もそう。一時はよくてもすぐ倒れてしまう。早くに金を儲けるにはムリがある。古人の所謂大器晩成というものを考えれば、ゆっくり儲けることを教えていると思えばいい」 残念なのは、雨敬の親友、田中平八は明治の偉大な事業家でありながら、歴史的には”相場師”の色が強くネット上にもその功績を示すページが少ないことである。 ホリエモンをみて”奇策の雨敬”を思い出しました。 |
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