これから投資を始めたい方のため。株式投資のイロハを一から解説。(松井)
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株50円ショップの株式格言

株式取引とは
 業績を根拠とした心理戦である

 財務状態がよい銘柄は市場参加者も承知ゆえ、株価が安定している。
 マンネリ化、退屈化している市場に刺激情報として好材料、悪材料が与えられることにより、株価は波動を描く。財務が優れているにもかかわらず株価が振動するのは、この波動は市場参加者の心理状態を映し出したものともいえる。
 好材料で、更なる利益や安心感と優位性で、需要がまさり株価が上昇する。
 人は明るい話題があればともに酔いたいものである。
 悪材料では優良銘柄と知りつつも、不安や一時の狼狽で一旦現金に換えようとし、売り方多数により株価は下落する。
 人は悪い話題を避けようとし、嫌な事から遠ざかろうとするものだ。
 これは、経済原理が全てを合理的理論で説明できないことを意味する。
 人は楽しく明るく安心感があるものを好み、暗く重苦しく不安定なものを嫌う。
 
 このような取引環境の中で如何に利益を得るためにはどのようにしたらよいのか。

 情報について考えてみよう。相場格言に「知ったらおしまい (知った情報は既に株価に折り込まれている)」がある。新しい四季報が発売されたら、株価は新情報を織り込んだものになってしまい割安でないことが多い。旨味がない。

 市場参加者が気が付いていない割安銘柄を買う戦略を考えよう。
「出来高は市場の人気を表すバロメーター」という格言がある。気が付いていないのは、人気がないのかもしれない。バリュー投資の銘柄は「出遅れ銘柄」と揶揄されることもある。財務価値を計算すると、明らかに割安なのだが、全然値上がりしない銘柄も多数ある。経済は需要と供給の関係だから、結局値上がりしないのは人気がないのである。バリュー銘柄の保有メリットは値上がりしないかもしれないが、割安なためこれ以上下落する不安が小さいということだ。これは賢明なる投資手法の一つといえる。いわゆる財務を根拠とする投資、あるいは科学的投資といえる。バリュー投資は、人気という人間の感情要素を排除した会計学的評価である。この投資方法はリスクが小さく、財務的根拠に基づき、市場参加者も納得できる説明になり得るため、この考え方を土台にすべきだ。

 バリュー銘柄の選抜はプロジェクトリーダーの人選に似ている。選ばれた彼は成績優秀な人材だが、現場でテキストにない問題を解決し、利益を出せるだろうか。そんな不安がある。もともと彼は成績優秀であるから、最悪平均的仕事はするだろう。
 顕在能力から潜在能力を推定する能力を上司も投資家も要求される。
 話が少し飛ぶが、人選も銘柄選択もある意味においては博打と紙一重である。しかし、時間かけたり根拠を明示したり多数決で決めたものは「決断」と呼び下劣で軽薄な「博打」ではないと強調する。
 大衆は成績優秀な彼が失敗しても、彼ならやむを得なかった納得できるからこの人選を「博打」と呼ばない。大衆に評価が低い人材を社長が抜擢したら、大衆は社長の決断を「博打」と呼ぶだろう。社長は熟慮断行したとしても。
 余談だが松永安左ェ門は「大衆は間違えるものだ」といい、国民を相手に電力事業化で戦った。
 社長の人事抜擢が成功したなら、「博打」から「最適な選択」にかわる。
 大衆と社長の考え方の違いは、過去のデータのみで判断したか、半年後1年後の未来を分析したかの違いだ。社長は選んだ彼の日常の行動を熟知していたら決して「博打」とは思わなかったのに対し、大衆は彼の一面しか見ていないのである。この違いが「決断」と「博打」という表現の隔たりになってしまったのだ。
 株は損切りすればすむが、会社は存在し続けなければならない。しかし、判断の真剣さは同じだ。
 「遠くのものは避けよ」という格言がある。わざわざなじみのないものに投資するなということだが、自分がその銘柄を熟知していても、市場参加者の多くが「遠くのもの」と認識されると、取引自体成立しない。名証等には財務優良銘柄が存在する。出来高はどうだろう。
 中庸の思考が必要だ。いくら財務優秀でも株式は売り手に対し買い手がいなければ取引が成立しない。社長抜擢の名人事は、社長が彼の能力を買い彼は自分の能力を社長に売った。取引が成立している。
 買い手が希薄な優良銘柄は対象外にするという条件を付けなければならない。
 出来高を調べた上で程好い人気銘柄を安く仕入れる戦略は利益が得られそうだ。
日頃から財務分析し、割安銘柄のポートフォリオを作っておけばよい。

 つぎに如何に安く仕入れるかタイミングの問題だ。
 格言に参考できるものがある。

安値圏での悪材料発表は買い

上り坂の悪材料は買い、下り坂の好材料は売れ

いつとても買い落城の弱峠、
   恐いところを買うが極意ぞ


野も山もみな一面の弱気なら、
   あほうになって買いのタネまけ


  バフェットの言葉に

  人の嫌がる時に買え

がある。バフェットはグレアムの弟子で、財務分析の戦略で大富豪になった思われがちであるが、実は株価の心理波動を巧みに活用し、利益を得たということはあまり語られていない。
格言に次のものがある。

   賢者は聞き、愚者は語る

 賢者は勝利を語らないのである。グレアムの著書には波動やテクニカルの一語も存在しない。それに対してバフェットは財務分析に加え、人間の心理の強み弱み絡ませて攻める。財務分析を語ることは師匠の考えを継承することになるが、波動やテクニカルを認めることは師匠に対する謀反とおもわれることを懸念しているのではないか。 バフェットは財務を根拠に銘柄分析し、市場心理の逆手を取って銘柄を激安で仕入れて適正価格で売却し利益を得てきたのである。彼は株の天才でもあるが、投資家の心理の裏を読み取るある意味、人間通なのかもしれない。それも強かに、人にも市場にも流されない異常なまでに頑固で、自分の投資スタンスを貫いている。
 悪材料で買いだが、これをもう少し考えてみよう。
 悪材料には「前向きな悪材料」と「後ろ向きの悪材料」がある。
「前向きな悪材料」は悪材料出尽くしでこれ以上悪くならないと判断できる材料だ。以前起きた問題の判決とか処理のたぐいだ。
「後ろ向きの悪材料」はさらなる新しい悪い話で不安を煽ぎ立てる情報だ。
理想的には悪材料出尽くしで買いがよい。賢明な投資家は、自分は日頃から銘柄を十分に分析しているから、よほどの悪材料でなければ買うことをあきらめないのである。
 株式取引とは財務を根拠とした心理戦である。財務一辺倒で勝てるほど市場は甘くなく、ジャットコースターのように落下する力で、上昇しなければならない。飛び込み台でジャンプするには一旦踏み台で下がらなければ飛び上がれない。至極自然な行動だ。上がるめに必ず一度落ちなければならないのだ。株価も上がるためには、悪材料という落下運動によって勢いをつけ、底を打ち上昇運動しなければならない。悪材料が上昇するための踏み台だ。そこがチャンスだ。
古くから日本にある株式格言につぎのものがある。

株を買うより時を買え

 売買タイミングの重要性は千載不易だ。
 タイミングを強調すると、投機家と批判される。マトリックスでまとめる。

企業価値 市場心理
投機家
投資家
賢明なる投資家

 繰り返す。賢明なる投資家における、株式取引は業績を根拠とした企業価値を買い、かつ市場心理の裏をついたベストタイミングで割安購入し売買することである。
締めくくりにニクソン大統領の言葉がある。

 よいものは、順風のときにはこないものである。


百歩先を見る者は狂人扱いを受け、
 現状のみ見る者は落伍する。
 十歩先を見る者のみが成功する

                  阪急グループ創業者 小林一三 (1873〜1957)

 経営格言である。タイミングの重要性を再び説きたい。タイミングは株式の売買のみならず、あらゆる状況において極めた大切な決断事項だ。マーケティング戦略を展開するときも、効果が最大になる時期に行わなければならないのはいうまでもない。しいては自分の人生しかり。結婚のタイミング、家の購入など枚挙に暇が無い。
 株価が割高なときは、市場が踊っても、見て見ぬふりをしなければならない。
 賢い投資家になりたいものである。

株価に迎合すれば、
  主導権を放棄したことになる


 株価に迎合することは、財布を悪魔に預けることだ。
 如何なる時にも投資の主体は自分であり、決して相場に舵を取られてはならない。
 財布を取られることは、投資家生命を失うことだ。

甘い囁きに溺れる事は、
 苦悩の種を飲み込むことだ

 軽率な売買は長期の苦しみを生み出す。
 氾濫した情報に溺れることなく、自分の眼を曇らしてはいけない。


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